「公開レッスン」山本起義(千寿製薬雑誌 銀海H16年秋号より)

 ピアノは7歳にバイエルを習ったきり40年来レッスンに縁がなく、聴くに堪えない演奏しか出来ない自分に悩んでおりました。折しも娘に公開レッスンを受けさせるにあたって、私にも受講のチャンスがあり、以降貴重な体験が出来ました。お世話になった先生はワルター・ハウツィヒ(WH:アルトゥール・シュナーベルの弟子、巨匠的演奏を得意とする熱血漢)、セルゲイ・ドレンスキー(SD:モスクワ音楽院教授、スタニスラフ・ブーニンが練習中後ろで怒鳴っていた相撲と寿司の好きな熱血漢)、リディア・コズベック(LK:ワルシャワ音楽院教授、アルトール・ベネデッティー・ミケランジェリの演奏法をマスター、ショパン研究の第一人者)、ブロニスワァヴァ・カバァラ(BK:ワルシャワ・ショパン音楽院教授、ショパン協会副会長、バッハコンクール優勝)で、印象に残ったのは、「テンポが狂ったら、後ろで立っているおまえの妻にバットで殴ってもらえ!(96年WH)」「間違いなく弾けているが、ただ弾いているだけ(97年SD)」「医学を学んでない医者と同じで、ピアニストなら、定期的にレッスンを受けなさい(98年WH)」と散々でしたが、

「ポロネーズはよく出来ている(99年LK)」「この曲が好きで弾いている事がよくわかる(99年SD)」「いったい何時からそんなにうまくなったんだ!(00年WH)」と、年々少しずつ評価は改善?「夏期講習会にポーランドへいらっしゃい(02,03年BK)」とBK先生と通訳でパリマギンコンクール1位の小早川さん(写真)に言って頂くも未だ実現せず。ただBK先生の教えを基に練習し、先日は、WH先生に「プロのレベルになっている、私もそんなふうに弾きたい」とまでいって頂きましたが、家内は「家でいつも弾いているのと同じなのに、あれがいいのかしら?」と。―――――最も厳しい評論家は家に在り!